被害者請求できるケースと対象者―誰が請求できるのか?
自賠責保険の被害者請求は、交通事故の被害者が自ら保険金を請求できる制度です。しかし、「誰が」「どんなケースで」請求できるのかを正しく理解していないと、思わぬトラブルにつながることも。今回は、被害者請求ができる対象者とケースについて詳しく解説します
被害者請求ができるのは誰?
被害者請求ができるのは、基本的に交通事故の被害者本人ですが、それだけではありません。自賠責保険では、次のような人が請求可能とされています。
請求できる対象者
- ・交通事故の被害者本人
- ・被害者が死亡した場合の遺族(法定相続人)
- ・扶養していた家族(生活費の支援を受けていた人)
- ・法定代理人や成年後見人(未成年者や高齢者などの保護者)
このように、本人以外でも請求できる場合があるため、事故の状況に応じて柔軟に対応できる制度となっています。
被害者請求が可能なケースとは?
被害者請求が使えるケースは、主に以下のような状況です。
① 加害者と連絡が取れない
事故の加害者が任意保険に未加入だったり、連絡がつかない場合でも、加害者の自賠責保険会社に被害者自身が直接請求できます。
② 自分で早く補償を受けたい
加害者が手続きを進めてくれない、または示談交渉が長引いているときなど、治療費や休業損害などを早く回収したい場合に有効です。
③ 死亡事故や重度の後遺障害がある場合
被害者が死亡した場合は、遺族(配偶者や子ども、両親など)が請求できます。また、重度の後遺障害が残ったケースでも、家族や後見人が代わりに請求できます。
同乗者や歩行者も請求できる?
意外に知られていないのが、事故車両に同乗していた人や歩行者も、条件に合えば被害者請求が可能だという点です。
たとえば、友人の車に乗っていて事故に遭った場合でも、その車の自賠責保険に対して被害者請求ができます。これは、「事故の責任がない第三者であること」が前提となります。
被害者請求ができないケースもある?
以下のようなケースでは、被害者請求ができない、または制限される可能性があります。
- ・被害者が加害者と同一人物(単独事故など)
- ・被害者に100%の過失がある場合
- ・被害者が自動車所有者で、加害者と見なされる立場だった場合
このような場合には、加害者請求や別の補償制度を検討する必要があります。
まとめ:自分に請求権があるか、まずは確認を
自賠責保険の被害者請求は、本人だけでなく遺族や法定代理人も請求できる制度です。事故の被害を受けたとき、自分にその権利があるかどうかを冷静に確認することが大切です。
また、請求できるからといって自動的に保険金が支払われるわけではなく、正確な書類の準備と手続きが必要です。次回は、実際にどんな書類が必要かについて解説していきます。
行政書士小峯事務所では被害者請求の代行サービスを提供しております。弊所にお任せいただければ、ご面倒な書類の準備や提出をすべて代行いたします。お気軽にお問い合わせください!